【コンディショニング講座】第8回股関節の動きに着目

2016年1月 6日 13:30

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【股関節の違和感?】
 練習の強度が上がったり、試合が続いたりすると、「股関節が痛い」、「股関節がつまるような感じがする」と訴えてくる選手が現れます。もともと股関節の使い方があまり上手ではなかったり、入念なセルフケアを行っていても、そのやり方が不十分であったりするケースが多い印象です。腰痛など、他の部位の痛みや違和感を訴える場合でも、同様のことが言えます。
 
 日本の女子フットサル界には、サッカーからフットサルに転向してきた選手が多く存在する印象ですが、競技環境や競技特性の違いに身体が対応しきれていない部分もあるのでしょうか。狭いコートの中で、より素早い方向転換が求められるフットサルの場合は、バスケットボールのようなフットワークも求められます。そのための脚力がしっかりしていなければ、繰り返される動作やそれによる負担から痛みを誘発してしまうこともあります。
 
 また、選手たちのストレッチングやトレーニングを見ていると、股関節の前後の動きは意識しているのですが、それ以外の動きに対する意識が低い印象があります。たとえばストレッチングの場合、太ももの前(大腿四頭筋)や太ももの裏(ハムストリングス)はしっかり伸ばしているのですが、内側や外側はどうでしょうか。強化やメンテナンスにアンバランスさが生じると、それも不具合の原因となり得るのです。
 
 
【股関節は多方向に動く】
 股関節は屈曲、伸展だけでなく、内転、外転、内旋、外旋といったように、あらゆる方向に動かすことが可能な関節です。日常生活でも競技中でも、実際にはそれらの動きがうまく組み合わさって様々な動作を可能にしているのですが、どうしても前後方向への意識ばかりが強くなってしまいがちです。ウォーミングアップでも、トレーニングでも、セルフケア(メンテナンス)でも、他方向への意識を忘れずに取り組むことで、よりスムーズで繊細な動作が可能になりますし、アンバランスさから生じる痛みや違和感を事前に防ぐことができるのです。それらを指導していると、寝た状態や座った状態、つまり足が地面に接地しておらず体重がかかっていない姿勢ではすぐに動かせるようになるのですが、立位で荷重した状態では上手く動かせなくなってしまう選手が目立ちます。このあたりに、改善の余地がありそうですね。実際に、股関節を回すようなエクササイズを指導した後に、「走りやすくなった」、「足が前に出やすくなった」、「ボールを思い切り蹴りやすくなった」、「他の部位も軽快に動くようになった」という感想をいただくこともあるんです。
 
 それから、日本のフットサル選手を見ていると、O脚の選手が多い印象もあります。O脚の選手はどうしても外側荷重になりやすいですし、放置しているとどんどん外側重心が助長されてしまいます。触ってみると、太ももの外側あたりが張って固くなっていたりします。こういったケースも不具合の連鎖を生み出し、他の部位にまで影響を及ぼしますから、積極的に改善していった方が良いでしょう。
 
 身体のどこか一部が動かしづらい、どこか一部が重い・張っている・違和感があると思ったときには、ストレッチングなどを行う際に、それまで意識的に動かしていなかった方向に着目してみて下さい。身体の内側や外側を伸ばしてみたり、身体を回旋させたりねじったりするような動きを加えてみることで、軽くなったりその後の動作がスムーズになったりすることもあるでしょう。
 
 
【エクササイズの例1】
 あお向けになり、足を肩幅より広めに開きます。両手は広げ、両肩が床から離れないようにしましょう。足幅を保ったまま、両膝を同時に右に倒し、続いて左に倒します。股関節の動きを意識しながら、リズミカルに20回程度繰り返しましょう。
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【エクササイズの例2】
 うつ伏せになり、両手は横に開きます。右足を上げて体の左側に持っていきます。この時、膝は90度くらいに曲げて行いましょう。続いて右足を体の左側へと持っていきます。左右交互に、10回程度繰り返しましょう。
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