【コンディショニング講座】第2回カラダのための食事

2015年7月 2日 17:03

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【はじめに】

「運動(トレーニング)」、「栄養(食事)」、「休養(睡眠)」はアスリートの三本柱と言われています。日々口にするものが身体を作るということ意識して、食べ物や飲み物を選んでいますか?バランスの良い食事はエネルギー源となるだけでなく、筋肉、骨、血液などの材料となるため身体づくりにも欠かせません。また、体調を整えること、ケガを予防・改善することにもつながってきます。特にアスリートの皆さんは、トレーニングや試合のスケジュールに合わせた食事時間と内容まで意識することが大切です。今回は、女性アスリートが特に気をつけるべき点と、熱中症対策としての水分補給についてご説明します。

 

【基本的な食事の形】

バランスの取れた理想的な食事とは、主食、主菜、副菜、果物、乳製品が並んだ「栄養フルコース型」と呼ばれたものになります。一人暮らしをしていたり、学業や仕事と競技を両立している選手にとっては、毎食このような食事を用意するのは難しいかもしれません。そのような場合でも、補食を上手に活用するなどして一日の中でバランスを取れるよう意識してみましょう。

  1. 主食:主に炭水化物
    からだや脳へのエネルギー源となる。
  2. 主菜:主にたんぱく質
    筋肉、骨、血液など、からだづくりの材料となる。
  3. 副菜:主にビタミン、ミネラルなど
    からだの機能を正常に働かせるための役割となり、体調を整える。
  4. 果物:主に炭水化物、ビタミンなど
    疲労回復やコンディションの調整に役立つ。
  5. 乳製品:主にカルシウム、たんぱく質など
    丈夫な骨を作る。

競技のための身体づくりとして必要な栄養素を意識することが大切です。たとえば、時間がない朝や夕食まで間隔が空いてしまう夜の練習前に、コンビニで手軽に購入できる菓子パンや清涼飲料水を口にする選手が非常に多いことが気になります。これでは糖質や脂質を過剰に摂取してしまいますし、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどが非常に少ないため賢い選択とは言えません。特にデニッシュやパイなどはケーキと変わらない「おやつ」であり「補食」ではありません。もちろん、ご褒美や楽しみとしてスイーツを堪能する機会も大切かと思いますが、日々の食生活においては補食も含め一日のバランスを考慮し、コンディションを整える意識を高めてほしいと思います。

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【鉄欠乏生貧血】

女性アスリートは貧血になりやすいといわれていますが、その中でも多くみられるのが鉄欠乏生貧血です。アスリートの場合は一般の方々に比べ鉄の需要量が増えますが、その摂取量(吸収量)が十分でないと体内の鉄が欠乏し、貧血を起こすのです。また、女性の場合は月経により失われる鉄の分も考慮しなければなりませんから、食事によって工夫することが大切です。

予防のためには、日頃から偏食を避けてバランスの取れた食事を意識する必要がありますが、特に血液を造る材料となるたんぱく質、鉄、ビタミンが十分に摂れているか改めて振り返ってみましょう。

鉄を多く含む食品として、赤身の肉や魚、レバー、あさりやしじみなどの貝類、小松菜やほうれん草などの緑葉野菜、豆腐や納豆などの大豆製品、ひじきなどの海草類が挙げられます。しかし鉄は摂取しても吸収率が高いとは言えないミネラルです。その中でも比較的吸収率が良いのはヘム鉄を多く含む動物性食品であること、非ヘム鉄はビタミンCによりその吸収率が高まるということを覚えておくといいでしょう。

 

【試合日の食事】

試合当日の食事や栄養補給は、パフォーマンスに大きく影響します。動きやすくスタミナの切れない身体に準備することがポイントですが、まずは食事のタイミングとして試合時間を考慮する必要があります。朝食や昼食は試合の3時間半前までに食べ終えておくことが望ましいので、最適な食事時間を設定できるようにしておきましょう。もし食事から試合までの間隔が開きすぎてしまう場合には、エネルギー源の確保のために補食を摂るようにしましょう。

試合直前の食事あるいは補食の内容としては、おにぎりやパン、パスタなど、素早くエネルギー変換されるものを選び、肉や魚など消化に時間のかかるものや胃腸に負担のかかるものは避けるようにしましょう。また、ナッツや根菜類など、食物繊維を多く含む食品は腸内にガスが溜まり、腹痛を起こすことがあるので気をつけて下さい。内容を考慮しながら、前述の通り試合の3時間半前までに食事や補食の時間を確保しましょう。

 

【水分補給について】

たくさん汗をかくアスリートは、熱中症や脱水症状のリスクを避けるべく意識的に水分補給を行う必要があります。喉が渇いたと感じる時には体から1%程度の水分が失われたサインとも言われています。この時には運動能力も低下し始めるという報告もありますから、練習中は喉の乾きを感じていなくても、15〜20分おきにこまめに水分補給を行うことが理想的です。

練習前後の体重を測定した時に、失われた水分による練習後の体重減少が2%を超えないように気をつけましょう。一度確認のために測定してみることをお勧めしますが、難しい場合にはお手洗いの際に尿量とその色をチェックしてみましょう。大まかな参考としてですが、色が薄い場合にはきちんと水分補給ができている、逆に色が濃い場合には水分が不足していると理解して下さい。

フットサルの場合は、運動の約2時間前から250〜500ml程度の水分を摂取し、運動開始後は一度に200ml程度ずつ15〜20分おきに摂取すると良いでしょう。その際の水の温度は5〜15℃が望ましく、気温や自身の体調、飲みやすさなどを考慮し調整してみて下さい。また、汗からは水分だけでなく塩分も失われますので、飲料水としては0.1〜0.2%の食塩を含んだものが有効です。さらに一時間以上の運動をする場合には、エネルギーの補給という観点からも、糖質を含んだものを選ぶようにしましょう。

第1回女性特有の悩み