【コンディショニング講座】足のトラブル

2015年8月 6日 06:30

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第3回足のトラブル

【足を大切にしていますか?】

走る、止まる、ジャンプする、着地する、ボールを蹴る…。フットサル選手にとって最も大切とも言える「足」は、身体の全体重を支持したり、負荷や衝撃を吸収したり、スムーズな動作や安定性の確保のために重心移動に貢献したりと、競技をする上で欠かすことのできない重要な役割を担ってくれています。そのために、足は26個もの骨や100以上の靭帯(じんたい)から構成されており、小さな面積でも大きな負荷や強い衝撃に耐えられるようになっているのです。両足の骨だけで身体全体の骨の約4分の1を占めるということからも、その複雑な構造と身体における重要性をお分かりいただけるかと思います。
 
しかしながらその足を、トラブルが起きる前から入念にケアしているという選手は、意外と少ないのではないでしょうか?足本来の機能をしっかりと発揮させてあげることで、身体への余計な負担も軽減し、疲れにくく動きやすい身体へと変化するということを実感していただきたいと思います。 
 
 
【足と向き合ってみよう】
ただ立っているだけでも常に重さに耐え続け、シューズにより締めつけられた足はガチガチに固まってしまい、何もしなければ柔軟性を失い本来の機能を果たしにくくなってしまいます。まずはその足を解放してあげましょう。入浴の際など、足の裏だけでなく足の甲まで、固まった骨同士が一つ一つ解放されていくのをイメージしながら、優しく筋肉をほぐしてあげるようにマッサージしてみましょう。
 
それから足の指でじゃんけんをするように、意識的に大きく動かしてみましょう。リラックスして座り、足の指をぎゅっと締めてグーを作ります。その後に5本の指をできるだけ大きく広げ、パーを作ります。親指と人差し指を引き離すようにチョキを作るのも良いでしょう。これらを繰り返しますが、指が思うように動かない人は特に、継続して行うことで足や指の筋肉を目覚めさせてあげましょう。これらは外反母趾や扁平足の予防にもつながります。
 
また、「筋膜」という視点から見ても、足裏は重要なパーツとなっています。筋膜は全身の筋肉や臓器を覆っている膜のことを指しますが、額から身体の後面へと続く筋膜は、足の裏までつながっています。ですから足の裏をゆるめることによって、ふくらはぎや太ももの裏(ハムストリングス)、腰背部までゆるみ、身体がラクになることもあります。
 
例えば、立位体前屈をしてみて下さい。指先や手の平が床につくでしょうか。その時に、身体の背面に張りを感じるでしょうか。一度確認した後に、ゴルフボールや硬いテニスボールなどを踏んだり転がしたりして、足裏をほぐしてみましょう。竹踏みなどを活用してもかまいません。両足の裏全体がほぐれてきたのを感じたら、再び前屈をしてみて下さい。先ほどよりも柔らかくなり、手が床につきやすくなったり、ふくらはぎや太ももの裏、腰に感じていた張りが軽減していることでしょう。
 
足のトラブルは全身のトラブルへとつながります。問題の原因となっていることも、改善策も、選手個人によって様々ですから、何らかの症状があれば早めに専門家の指導を受けることをおすすめします。
 
【靴擦れへの対処】
シューズとの相性やサイズの不適合などで靴擦れを起こしてしまい、足の指やかかとに水ぶくれ(水泡)ができてしまうことがあります。発見するとすぐに潰して水を抜こうとする選手が多い印象ですが、感染などのリスクもあるため基本的には無理に潰したりしない方がいいでしょう。
 
しかしフットサルのように足を酷使する競技の場合、練習や試合中の激しい動きによって水泡が破れてしまうこともあります。そのような場合はすぐに水道水で患部を洗浄し、ジェル製保護材や保湿パッドなどを活用して保護するようにしましょう。自然治癒を助け、動いてもずれにくく皮膚にフィットするような優れた保護パッドも、最近ではドラッグストアで簡単に手に入るようになりましたから、チームとして常備しておくと便利ですね。
 
破れた皮膚が残っている場合は無理に剥がそうとせずに、洗浄後ピンセットなどで元の位置に整えてから、ワセリンを塗布して保護材で覆うようにしましょう。
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【靴擦れを防ぐために】
まずは自分の足に適したシューズを選ぶことです。同じサイズでも実際に履いてみた時のフィット感はシューズにより様々です。また、着用後時間の経過とともにつま先や横幅がきつくなっていくこともあります。きついシューズは靴擦れの原因になるだけでなく、足の爪を傷めることもありますし、足が本来の機能を果たせない窮屈な状態では身体の他の部位にも影響を及ぼし、余計な疲労の蓄積や障害・外傷の発生リスクを高めてしまうことにもつながります。
 
また、かかとがきちんとフィットするかも大切なポイントです。かかとがすべるような素材で出来ており、着用中にシューズの中で足が動いてしまうような場合も、靴擦れを引き起こす原因になり得ますから、試着の際はデザインやサイズだけでなく、こういったポイントも気にかけてみましょう。
 
最適なシューズを手に入れた後、それが足に馴染むまでは予防の意味で指やかかとにワセリンを塗布したり、靴擦れを起こしやすい部位をあらかじめ保護パッドなどでカバーするといいでしょう。シューストレッチャーを活用し、サイズの微調整により足にフィットさせるというアプローチもあります。明らかな皮膚の損傷がなくても、痛みや違和感があればそれ以上悪化させないように前述の方法で食い止めることも大切です。些細なトラブルでも足の場合は特に影響が大きいことを踏まえ、大切に労っていただきたいと思います。