【総括】第3回女子地域チャンピオンズリーグ - 女子フットサル|PANNA-FUTSAL

【総括】第3回女子地域チャンピオンズリーグ

2016年3月 3日 12:39

2015CL3_2800.jpg

 2/19(土)から21(日)にかけて名古屋のテバオーシャンアリーナで行われたリーグ戦の王者を決める大会、一昨年2地域4チームだった大会は6地域、8チームへと拡大。「地域女子リーグカップ」から「地域女子チャンピオンズリーグ」へと改称。全日本女子フットサル選手権同様、もう一つの日本一を決める大会となったと解釈しても良いだろう。

 そしてこの大会に優勝し、日本一の座を勝ち得たのは丸岡RUCKレディース。もはや全国大会の常連となり、日本代表選手を輩出するチームはお馴染みとなったが、改めて考えてみると全員が10代のチームだという事に驚きを隠せない。サッカーで言えば、ユース年代のチームがなでしこリーグのチームを倒して日本一を勝ち獲ったという事になるだろうか。まだ10代のチームが全日本準優勝を2回、地域女子CL優勝1回、海外遠征も経験して代表選手(候補含む)を5名輩出したという事実は驚異的な事ではないだろうか。丸岡は特殊な戦術コンセプトを用いている訳ではなく、3-1の攻撃システムとマンツーマンという良くあるスタイル。しかしプレー強度という面では日本トップレベルだ。パススピード、ドリブル、トランジション、球際の強さ、体を張った守備等、一つのプレーにこだわりを持ち、最低限の約束を守った上で各自が判断し実行しているように感じる。そこに小さな頃から同じチームで戦うメンバーの阿吽の呼吸が組み合わさる。丸岡を見ると「戦術とは何の為に必要なのか・・・」。そう考えさせられる時がある。しかし懸念材料もある。来季から新設される北信越女子フットサルリーグへ戦いの場を移す事になっている。東海リーグと比べるとレベルが落ちてしまう事が予想される。成長の為には選手の意識、自覚が必要となってくるだろう。

 そして丸岡と同様に優勝候補に挙げられたSWHLとarco-irisとの準決勝はまさに死闘だった。この試合を見なかった人は損をした、そう言い切っても過言ではない位の素晴らしい試合だった。過去の女子フットサルの試合でもベスト3に入り、フィジカル、パワー、スピード、プレー強度、戦術、気持ち、どれを取っても素晴らしく、写真を撮影しようとファインダーを覗いてはいるものの、目が離せない展開に、途中完全にペンを取るのを忘れて見入ってしまっていた。丸岡の田中監督は優勝できた要因に選手がこの試合を見れた事であると語ったが、と同時にPK戦の末に決勝戦へ進出したSWHLがこの準決勝での死闘で疲弊した事も要因の一つだったかもしれない。丸岡、SWHL、arco-irisは日本のトップ3である事は間違いない。

 チームの勝敗を分けた決定的な違いはというと攻撃力だろうか。予選リーグを見てみるとAグループでは1試合平均7点、Bグループでは平均6.5点が生まれているが、トップレベルの大会にしては少々多いような気がする。戦術と言うと攻撃ばかりに目が行ってしまうが、守備戦術も当然存在する。守備戦術とまでは行かなくてもGKとフィールドの役割の整理や守備の約束事を統一、徹底するだけでも変わってくるのではと感じる。個で勝てないなら組織で守る、そして優れた守備ができれば、それを打ち破ろうと更に攻撃に磨きをかけてくる。まさに矛と盾、これが女子フットサルの競技力向上となり、世界で通用する力になっていくのではないだろうか。

 今回の大会に限って言えば、関西+丸岡に続くのが、関東、東海、そして北海道、中国、九州という構図のように感じた。先日コラムで書いたように各地域まだ試合時間や昇降格等、環境は違う。地域リーグは現在の女子フットサルでは日本のトップリーグであり、各チームが強化を図る事はもちろん、強いチームを地域チャンピオンズリーグに出場させる為に、こなす運営から強化を図る運営へとなるよう、是非様々な試みを期待したい。PANNA-FUTSALではできる事があれば、選手個人、チーム、リーグに関わらず、協力していきたい。

 

 

 

yt_s.jpg

Desporteサイドバナー.jpg

PANNAロゴ(バナー用).jpg

credit-school_bannerl.jpg

234_60banner.gif