【インタビュー】SAICOLO小野直樹監督 - 女子フットサル|PANNA-FUTSAL

【インタビュー】SAICOLO小野直樹監督

2016年2月 3日 17:15

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 - この度は関東優勝おめでとうございます。
小野:ありがとうございます。
 
 - 優勝を振り返っていただく前に昨年まで同じ関東リーグだったshoot anillaからSAICOLOの監督になった事はショッキングなニュースでした。差し支えなければ経緯を教えて下さい。
小野:anillaは設立から6年間関わってきました。関東昇格、そして全日本3位、関東リーグでも参入初年度で3位という結果を残せました。ここから発展していくのかと考えていたのですが、正直成績としては出来過ぎと感じる部分もあり、付いていける選手と付いていけない選手に分かれてしまったと感じていました。そして私の選手起用等について選手達の多くから異論が出ているという事で、せっかくここまで来たチームを存続させるためには、クラブが私ではなく、選手達を残すという判断をしたということです。そしてクラブの考えに従い、私が退団する事になりました。
 ちょうどその時に結果を出す為に変化を求めていたSAICOLOから声がかかりました。既に指導者がいたので、その部分は非常に気になり、事前に話をしたのですが、問題ないとの事でした。これだけのポテンシャルを持ったチームの監督をしたら楽しいだろうなと感じ、埼玉までの距離はありましたが、練習回数が少ない事もあり、タイミングも合ったので、もう一度女子フットサルに関わってみようと思いました。
 
 - 小野さんから見てSAICOLOに足りないものは何だと思いましたか?
小野:攻守に渡る決まり事がほとんど無かったです。自分達で運営面等をすべて行っていた事もあり、サッカーの実績や年齢が上の人の言う事に無口になっている状況がありました。とは言ってもコートに入ってもその人が完璧な訳ではないです。若い選手はミスすれば言われる、でもその選手がミスしても誰も言わない、という女子チームによくありがちな状況になっていました。それをフラットに言える人間が来たという事だったと思います。
 
 - 小野さんによって新しい戦術や決まり事が浸透し、シーズンは順調に進んでいったと思います。しかし一つの転機になったのは全日本女子フットサル選手権関東大会だったと思います。共に代表選手がいない(※AFC女子フットサル選手権に召集)中で予選グループ、浦安に思わぬ大敗を喫しました。
小野:ものすごく大きな転機でした。SAICOLOは一度も全日本に出場した事がありませんでした。自分が来たからには全日本で優勝を争うチームになって欲しいという気持ちが強くなり、あまりにも浦安の対策を立て過ぎました。リーグが終わってから期間が空いたので浦安対策をずっと分析し、リードした場合、負けている場合、等を細かくシミュレーションして練習していましたが、結果的に6-0の大敗となりました。実は敗戦後の練習で私は選手に謝りました。私が勝手に頭でっかちになり、これだけ良い選手のいるチームの良さを出す事を二の次にしてしまったと。逆にこれからは未完成であるこのチームを良くする為に、選手の特徴や長所を生かし、“SAICOLO”らしさを追求する事を最優先としました。そういう意味でもの凄く大きな転機でした。
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 - その後、関東リーグ再開後の浦安戦では選手権関東大会とは違い、互角の展開を見せました。
小野:あの試合は選手権からどれだけ巻き返しができているかが測れる試合でした。終盤までタイスコアのまま試合が進み、試合終盤私は選手の反応を見ながら「勝たなくて良い試合(同点のまま終わっても良い)」と伝えました。意図は伝わったと思っていましたが、もっとはっきり伝えるべきでした。結果、カウンターからミスが重なり、試合終了前残り1分ちょっとで勝ち越しを許してしまいました。練習回数が少なく、細かな場面設定での経験が少ない場合はもっと意思統一を徹底する事が必要だと再認識しました。
 
 - その後、上位リーグで勝利し続け、最終節の浦安との試合ではイニシアチブを取り、完勝でした。トランジションからの得点は狙いだったのでしょうか。
小野:選手権での関東大会での敗戦から“SAICOLOらしさ”を貫き、最終節浦安戦についてもほとんど対策を立てませんでした。自分達のフットサルができれば絶対に勝てると選手には伝えました。今季は前からのプレスを徹底していましたから、相手ゴール前で奪ってショートカウンター、次に中盤で奪って数的優位を作りゴールを決めきる事を狙っていました。数的優位までは行くのですが、なかなかゴールを決められなかったので、カウンターがカギになると思っていました。そこで約一カ月カウンターの練習を徹底しました。簡単に言ってしまうとどうやって成功体験をさせて、その上で微調整ができるかです。そして最後のゴールを決めきる場面では浦安の守備の特徴を示しました。その狙い所が1点目で成功して選手が自信を持てたのだと思います。
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 - 見事関東優勝を手にしました。SAICOLOは強豪ながらまだ全国での実績は示せていません。地域女子チャンピオンズリーグに向けての抱負をお聞かせ下さい。
小野:関西勢を中心にどこの地域からも実力のあるチームが集まります。しかしどのチームだからという訳ではなく、“SAICOLOらしさ”を出す事が一番重要だと考えています。メンタルの部分も含めて試合の中でそれがどれだけ出せたかが勝敗を握ると思っています。全日本に出場できなかった分、地域女子チャンピオンズリーグで結果を出して来年の関東の枠を一つ増やしたいと思っています。

 

 

 

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